OMEGA “The Royal Air Force” Ref.ST2777、故障する
OMEGA “The Royal Air Force” Ref.ST2777が故障してしまった。
2月22日に帰宅後、ルーティンワークとしていつものようにゼンマイを巻き上げていたが、ゼンマイを巻き上げる際に鳴る、ゼンマイの反発力から抗うためのストッパである「コハゼ」が「角歯車」との間で鳴らす『チキキキキ…』という音が、巻き上げ途中から鳴らなくなり、ゼンマイを完全に巻き上げることができず、空滑りするようになってしまったのだ。
それでも何度かはどうにか巻き上がっていたようだが、一昨日の晩、遂にゼンマイがまったく巻き上がらなくなってしまい、針も止まった。
製造から58年経った代物であることを充分承知したうえで慎重に運用していたつもりなものの、それでもどこかに乱暴な扱いをしたところがあったのかもしれない。反省の日々である。
修理に出さねばならないのだが、はてさて、どこに出せば良いのやら。巷の時計店に見てもらうか、骨董品であることを踏まえてOMEGAに出すべきか…いろいろ調べたが、ここは後者を選択した。
以前も指摘したとおり、こいつのキャリバは283といって、その昔のベストセラーではあるものの、もちろん現行品ではなく、国内にパーツのストックがあるようには思えない。巷にある時計修理を専門に扱うところ、特にOMEGAを専門に扱うところも、現在でもベストセラーであるスピードマスター(キャリバは1861)は扱っていても、こいつは扱っていないようだ。また本家であるOMEGAのWebサイトを見ても、このキャリバの修理は即刻スイス送りであると明記されている。「ならばOMEGAに出すほうが遥かに安心だ」という判断をしたのだ。
また、こいつを購入した際、前のオーナーがOMEGAに修理に出した際の明細も渡されているので、それを見せれば何か手掛りになるかもしれないということも、OMEGAに出すことに決めた大きな理由になった。
昨夜、仕事を終えた私は、帰宅するその足で、久しぶりの銀座に向かった。
やたら高級感を醸し出している正規店舗・オメガブティックにあるカスタマサポート部門にこいつを持ち込み、修理を申し出た。やはり前回の修理明細は必要だったようで、それも同時に提示して待つこと15分。
「スイスまで送ることになります。半年ほど掛かりますが、構いませんでしょうか?」
予想どおりの回答であるため、そのまま依頼した。
「なお、前回の修理から1年も経過していないので、料金は無料になります。1週間ほどの間に正式な預り書をお送りします。また、修理完了後も無料でご自宅までお送りすることができますが、そうなさいますか?」
これも了解した。実は前回の修理明細の裏面に以下のような記述があるのだ。
有料にてコンプリートメンテナンスサービスを実施した場合、下記の条件で弊社にて保証いたします。 ・保証期間 修理出来上がり日より2年間(…、オメガ、…) |
---|
こいつは2009年11月25日にOMEGAへ修理に出され、2010年8月19日に完了しているため、書類上は「修理出来上がり日」から1年すら経過していない。ただ、保証対象が「精度不良」しか無いため、今回の修理が有料か無料か不明だったのだが、上述のとおり今回は無料とのことなので、この記述が適用されたのだろう。
なお、今回は半年ほどと言われた預り期間だが、前回は約9ヶ月掛かっているため、恐らくこいつが私の手許に戻って来るのは今年の年末ぐらいになるものと思われる。まぁ焦るようなものでもないため気長に待ちたい。