片腹痛いわ

Posted at Fri, 01 Aug 2008 08:19:17 +0900 (JST)

『DNSの脆弱性問題でISPに被害』

先般から方々でパッチ適用が叫ばれているキャッシュポイズニング問題で実害が出たそうで。しかもAT&Tというのが笑えます。iPhoneをリリースしているが故に話題になってるのかもしれません?
ただ、この記事で指摘されている内容は当たり前過ぎです。
“自社のDNSサーバにパッチを当てるだけでなく、そのシステムが使っているISPのDNSサーバもパッチが当てられていることを確認しなければならない”
って、そりゃそうでしょ。

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『日本通信の米子会社、世界初の通信時間つきATMを提供』

何度読んでも理解できない記事というのも珍しい。
ここでいうATMとは金融機関が持つ「現金自動預払機」のことのようですが、「通信時間付きATM」というのが何を指してるのかが解りませんし、「金融決済向け無線専用線では、従来の固定専用線と比較して通信コストを50分の1以下に抑えられる」理由も解りません。
有線の専用線ですら通信内容があっさり捕捉されるのに、危険極まりない無線で専用線を構築し、それを金融機関が使うというのに至っては、もはや信じられません。
あらゆる意味で破られるのは時間の問題だと思いますけどねぇ。

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『ドコモ子会社、グアムで3Gサービス開始』

販売奨励金なんぞよりはよっぽど筋が良いとはいえ、こんなことにカネを使ってる場合なんでしょうかね?
現地キャリアに任せてローミングするほうが安上がりでは。

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『アッカ、イー・アクセスと業務提携でイー・アクセスの子会社に』

このニュースはツッコミどころ満載です。「片腹痛い」とは、まさにこんな記事を読んだときに出る言葉なんでしょう。株主代表訴訟を使ってみかかの息が掛かった社長を追い出し、傀儡になりそうなヤツを社長にするよう仕向けた挙句、そこを飲み込むとは。
しかも飲み込み方がメチャクチャ。E悪のADSL設備を悪化に押し付け、E悪は悪化に使用料を払うんだけど、その設備の運用はE悪がやるそうで。悪化はまるでSBのタックスヘイブンにある設備リース会社みたいな扱い…ま、強烈な勢いでシュリンクしているADSL市場で、どこまで深手を負わずに終戦とするかが焦点となってますから、こうせざるを得ないんでしょうけど、働くエンジニアは可哀想です。
しかも悪化とE悪では網の作り方が全然違います。これは以前も言ってますし、悪化の財務状況を悪くした原因でもあるのですが、両者では相互接続点(POI)の考え方がまるで違います。
E悪はPOIを東京と大阪にのみ置き、東京ならみかか東管内、大阪ならみかか西管内が全てカバーできるようにIP網が引き回されているものの、悪化は各都道府県毎に置いてあるため、ISPが全国向けにサービスするためには各都道府県毎の悪化のPOIまで足を出さなければなりませんでした。
47対2では、当然後者のほうが楽ですし設備投資も嵩みません。
悪化はこの網構成が嫌われ、カネがない中小ISPはおろか大手ですら相手にされず、サービスイン後も財務状況が改善できなかったんです。
こんな使い難い網を今後も維持するとはとても思えませんから、恐らく悪化網はE悪網に巻き取られるのでしょう。
あと、いちばんムカつくのが、千本のオッサンの発言。
“技術者人材は当社でも不足してきており、技術面でも提携効果が得られるのではないか”
おいおい、だったら自分と同じ取締役連中で
「技術者なんて誰でも良い。辞めたきゃ辞めろ。技術者は使い棄てで良いんだから」
と公然と吐くヤツをクビにすべきですよ?
業界内でも有名ですし、E悪からエンジニアが抜けている最大の理由がこの取締役であることを認識したほうが良いんじゃないでしょうかね。
…いずれにしても、ADSL市場はそう長くないでしょうから、どこまで悪足掻きするのかを生暖かく見守りましょう。