「クルマを持つ」ということ

Posted at Mon, 12 Jan 2026 12:49:09 +0900 (JST)

人生には様々な転機がある。

それまで私は「クルマを持つ」ということを微塵も考えたことが無かった。世界屈指の鉄道網が広がる東京23区在住であれば、賃貸だろうと持ち家だろうと、住まいを選択する条件に“鉄道の最寄り駅からどのぐらい近いか”が上位となる以上、自分のクルマを持つ理由が無いからだ。国内であれ海外であれ、どこへ出掛けるにしても、自宅の最寄り駅から電車に乗れば済むし、実際済んでいた。それに23区内は駐車場が莫迦みたいに高い。特に山手線内周辺の都心6区1で借りようものなら家賃と同額かそれ以上取られる。大学進学で上京した私の左脳から“マイカー”という単語が削除されて久しい。

しかし、転機が訪れる。

1つはコロナ禍だ。2020年2月には鮮明となった新型コロナウィルスのパンデミックは、人間を外出させるのは勿論、自分以外の生命体や物体に接触することを躊躇させた。ちょうどこのとき転職した私は、入社初日の2月3日(月)朝9時に挨拶を済ませると、社用PCを渡され、早々に帰宅のうえ「指示があるまで在宅勤務をせよ」と命ぜられたほどだ。その後、政府から緊急事態宣言による外出制限が発せられるに至り「今後数年は『電車でどこかに出掛ける』なんてことはできなくなる。そうなると、移動手段はクルマしか無い」と判断、新しい会社での業務も落ち着いた翌2021年の夏頃からボンヤリと、自宅マンション周辺で月極め駐車場の空きを探すようになった。

もう1つは介護だ。2022年1月4日(土)21時過ぎ、実家からクルマで1時間ほどのところに嫁に出た姉から、珍しく電話が入った。

「今、県警から『母親を保護した』という連絡が来たので、これから警察署に身柄と自転車を引き取りに行く。警察官に状況を確認すると、『陽が落ちてから(実家最寄りの)コンビニに行ったものの、そこから帰宅できなくなった。困った母親が、付近を歩いていた親子に(実家への)道を尋ねたところ、その方が母親の様子を見て“危ない”と思ったらしく交番に連れて行き、その場で保護され、警察署に移送された。正確には判らないが、3時間ぐらいは走り回っていたようだ』とのこと。これはどう見ても認知症だ。今回は偶々、人が良い親子に声を掛けたから良かったものの、一歩間違えれば危なかった。」

その前日まで私は実家で母親と正月を過ごしていただけに驚くしか無い内容だが、起きた事実から目を逸らす訳にも行かない。そして、23区にある自宅から、新幹線でも高速道路でもDoor to Doorで2時間ほどの実家との間を、今後は頻繁に行き来しなければならなくなるだろうことは火を見るより明らかだと悟った。

こうして、クルマを持たねばならなくなった。運転免許が必要な内燃機関の乗り物を持つのは、大学生時代に通学用に新車で買い、15年前に廃車にした“YAMAHA JOG APLIO TYPE-II”以来である。

敷地内の駐車場に空き区画が無い分譲マンションに住む私がクルマを持つには、まず駐車場を確保しなければならない。母親の認知症が発覚してからは探索の必死さが違う。2ヶ月後、自宅マンションのすぐ裏手にある線路沿いの空き地で運営されていた露天アスファルト敷き駐車場で1区画の空きが出たのを偶々見つけ、すかさず確保した。この駐車場は最寄り駅の私鉄の所有物で、近隣の相場と比較して賃料が2,500円ほど高い2ものの、背に腹は代えられない。

並行してクルマを探していた。しかし、このコロナ禍は、あらゆるモノの製造工場の勤務形態がそうであるように、複数の人間を1箇所に留めて就業する状態を許さなかったうえ、車載用半導体の生産量もガタ落ちさせたことから、新車を買いたくても買えない状況に陥らせた。もし新車を発注したとて、国産車でも輸入車でも「正確な納車時期が不明です。恐らく1年以上掛かりますが、それでも構わないですか?」と、納車時期が未定であることを承諾しなければ契約できない有様だった。その結果、諸事情から可及的速やかにクルマを持たねばならない一般市民は挙って中古車店に行くことになり、中古車価格が暴騰3していた。クルマを買う時機としては最悪と言って良い。

車格も考慮する必要がある。23区内はとにかく道が狭い。特に私が住んでいるS区は、住宅地の区画整理が住民の増加ペースに追い付かなかったため、元は田畑の畦道だったとしか思えない、曲がりくねった細い道がそのまま車道となった結果、クルマがすれ違えないことを理由に延々と一方通行にせざるを得ない交通規制が当たり前となり、目的地次第ではかなりの大回りを強いられる。この劣悪な道路事情での取り回しを考えると、車幅が1,695mm以下な5ナンバー限定とまではいかないまでも、ある程度小型でなければならない。間違っても車幅が2,000mm近かったりボディ最小回転半径が6m以上あるようなクルマは埒外だ。通れないし曲がれない。
更に言えば、母親を乗せる場面が多々発生するであろうことと、実家とは高速道路で行き来することから、衝突安全性能4と高速走行性能に難がある軽自動車は自ずと埒外となる。
また、私は職業柄、国内自動車メーカ全社と付き合いがあったが、その過程でまじまじと見せつけられた各社の醜態から、国産車を買う気には到底なれない。Tやその子会社のDはもちろん、NやHや2つのSや2つのMとも、二度と顔を合わせたくない5

ここで「私はVWしか乗っていない。ワーゲンは良いよ」と常々言っていた元同僚を思い出し、試しにVWの中古車を調べたところ、VWが自社で整備・販売している認定中古車のなかに、元は試乗車だという2021年式のPolo Comfortlineを見つけた。3ナンバーなものの車幅1,750mm・車長4,060mmの車格は小型でちょうど良く、走行距離はたったの1,678km、新車保証も付帯して諸費用込み266万円とある。
このPoloについて元同僚に確認すると「これ、良いチョイスですね。試乗車上がりなので程度は上々と思います」とのお墨付きを得たため、2022年4月24日(日)に発注、6月18日(土)に納車された。

その翌週から早速、実家との行き来で乗り出した。ドイツ車らしいガッチリしたボディ剛性と、踏めば踏むだけ吹け上がる1リッターターボエンジンは、日本の高速道路を100km/h程度で巡航する運用であれば何の問題も無い。想定外だったのは、年老いた母親の腕力だとドアの開け閉めに若干苦労することだ。それまで実家で亡父が好んで乗っていたTの国産車と違い、ドイツ車はドアが重いのだ。裏を返せば、もし横から衝突されたとしても乗員はしっかり守ってくれるであろうことを想起させる重さなので、個人的には良いことだと思っている。

そうこうするうちに、世の中では「エンジン車(ICE)は生産禁止、電気自動車(BEV)への全面移行」が叫ばれ始めた。特にEUが自動車メーカに出したEU指令”Euro-7″は強硬で、その中身を理由に『2026年以降の新規開発は基本的にBEVのみ。ICEは生産量を徐々に縮減、2030年頃にはゼロにし、その後はBEV専業になる』と宣言するヨーロッパの自動車メーカを続発させた。

しかし、少なくとも日本国内は、BEVを気軽に乗り回せる環境が整っていない。政府や自治体からの補助金なしでは異常なまでに高価だというのもあるが、充電設備が圧倒的に不足しているからだ。BEVに実装されるリチウムイオン二次電池は化学的に高速(高電圧・大電流)充電すると劣化が早まる。これを回避すには低速(低電圧・小電流)充電すべきなのだが、自宅マンションにしろ駐車場にしろ、そもそも充電設備が無いため、例えば「一晩かけて低速充電する」などということもできない。さすがにBEVを販売しているディーラーには充電設備があるので、BEVユーザはわざわざディーラーに行って高速充電することになるのだが、BEVに乗るためにディーラーに通い、かつ、自車のバッテリを短命化する行為を強いられるこの状況は、微塵も笑えないコントだ。

また、「エンジンで発電用モータを回転させ、それで得られた電力をバッテリに蓄めつつ駆動用モータで走行する」のが基本コンセプトのハイブリッド自動車(HEV)やプラグインハイブリッド自動車(PHEV)という選択肢もあるが、それまでエンジンだけで走行できていたクルマから見れば死重でしかないバッテリとモータをわざわざ載せる意味が理解できない。ICEより車重が重くなることで早く摩耗するタイヤと、いずれは必ず化学的に劣化するバッテリの、それぞれの交換費用を考えると笑止千万だ。もっと言えば、ICEならエンジンだけで済むところ、HEVやPHEVではモータやバッテリを追加で製造または廃棄する必要があり、このときにも大量の二酸化炭素が発生するのだが、その事実を無視してまで、これらのクルマを「環境に良い」「エコだ」と持て囃しているのは、どこの誰なのだろう。

つまり、2026年時点であっても、日本国内での客観的かつ現実的な新車の選択肢は、従来通りICEしかないはずなのだが…。

「このご時世、いつICEが全面生産停止になるか判らないが、今ならまだ生産している。このタイミングを逃せば、輸入車の新車でICEを買えなくなる」
「今のPoloは試乗車上がりの中古車なので、新車から乗っているわけではない。私も1度は、ICEを新車から乗り出してみたい」
「どうせなら、めちゃくちゃ高性能なスポーツカーに乗ってみたい」

足掛け4年ほど隔週で高速道路を往復250km走っていると、ついつい、そんな欲が出てしまった。Poloに何か異常があるわけではなく、実家周辺で母親を乗せて走る分には何の問題も文句も無いが、高速道路では加速時の瞬発力不足が否めないうえ、PoloをはじめとするFF車特有の、カーブで発生するアンダーステアが原因で「これが『曲がらない』というヤツか」を実車で体感できてしまうのも面白いが気にはなっていた。なにより、2026年1月中旬に車検が切れることが後押しした。走行距離は19,600kmを越えた程度だが、タイミングは今しかない。

先述した車格と自分の財布を考慮した結果、プラットフォームを共有しているため車格はほぼ同じなもののエンジン回りがスポーツカーのスペックで仕立てられた“VW Golf R Advance”“Audi RS 3 Sportback”に絞られた。どちらも2025年に新型にブラッシュアップされたばかりである。

偶々だが、2025年8月2日(土)にRS 3、3日(日)にGolf R、それぞれに試乗できた。
RS 3は、ドイツ本社が日本への輸出台数を大幅に絞っているらしく「納車まで1年掛かる」との報告がネット上に多数あるうえ、試乗会が公式には設定されていなかったため、半ばダメ元で、自宅最寄りのAudi正規ディーラーに見積りの作成と納期の確認を依頼したところ、『お客様が設定したカラーとオプションの組合せに合致した個体が11月上旬に納車できるタイミングで輸入される。また、2週間後にディーラー独自で高速試乗会を開催するので、ぜひそちらに参加いただければ』との返信が来たため、嬉々として試乗会への参加を申し込んだ。
その1週間後、Poloを買ったVW正規ディーラーにはまだ何も伝えていなかったにもかかわらず、突然、『来週、Golf Rに試乗できますが如何ですか』という電話が来たため、こちらも嬉々として参加を申し込んだ。
何故かは解らぬが、こんな偶然が起こる6こともあるらしい。

連続する2日間で両車を比較した結果、Audi RS 3を選択した。というか、Golf Rに試乗する前に発注、その場で銀行振込を手配し現金一括で支払った。
先述の通り、ネット上で報告されている納期とは較べものにならないぐらい早い、発注から3ヶ月で納車が可能であることと、エンジン回りも内装も、Golf Rとは比較にならないほどハイスペックであることが判ったからだ。また、試乗で同乗してくれたAudiのエンジニアが非常に気持ちの良い人で、私の拙い質問にも的確に回答してくれたうえ、
「偶々なんですけど、実は明日、RS 3との比較でGolf Rにも試乗するんです」
と言うと
「RS 3とだと、エンジンから何からまったく違うので比較にならないと思います。Golf Rと比較するなら、エンジン出力が同じS3ですね。ですから、明日はきっと『RS 3とGolf Rは別物だ』と確認するだけになると思いますよ」
と予言され、結果的にその通りだったことも大きい。高速道路でも、Poloでは味わったことがない、胸が空く加速とエンジン音に「こりゃ凄いぞ」と納得させられてしまった。

ついでに言うと、翌日にGolf Rを試乗した際に納期を確認したところ
「年内は到底無理。早くて2026年3月頃になる」
という回答だったことも、ある意味で決定打になった。Golf Rの納期に関する情報がネット上に無い=納期はそんなに気にしなくて良い、と思い込んでいたのだが、まさかRS 3よりGolf Rのほうが納期が読めないとは。
“ひょっとして、Golf RはRS 3より売れてない? だからディーラーも在庫を抱えてないのか?”
私のPoloの車検が2026年1月中旬で切れることを把握しているディーラーとは思えぬこの回答に愕然としつつ
「それじゃ、車検が切れちゃってますね」
と私が言うと
「なので、先代のGolf Rで程度の良い中古車を見繕います」
と、私の意図から更にズレた回答だったことも、前日にRS 3を発注した判断が間違っていなかったことを裏付けた恰好だ。

果たして、RS 3は2025年11月16日(日)に納車された。既に実家と3往復しているが、その度に試乗会での感想そのままの走りを堪能できており、満足感しかない。恐らく輸入車の新車でICEを買うのは、これが最初で最後だろう。母親がドアの開け閉めに若干苦労するのは相変らずだが、横からの衝突安全性能を考えれば仕方の無いこと。介助すれば良い。余程のことが無い限り、私はRS 3を乗り続けるだろう。

ここまで長々と「クルマを持つ」ことになった経緯を記してきたが、このテキストの主題はこれではない。「クルマを手放す」こと、即ち、その後のPoloの話だ。

RS 3を発注したとき、Poloの下取り価格は80万円と査定された。RS 3に付けたメーカーオプションの半分ぐらいはPoloの下取りで賄えることになる。

RS 3を取りに行くべくPoloでAudiディーラーに乗りつけた際、担当のセールスから「お別れするPoloの写真を撮りませんか」と言われ、スマホで3枚ほど撮った。このときは特に何の感情も無く、それよりなにより目の前にあるビカビカのRS 3に夢中だった。

しかしその1ヶ月後、なぜか不意に、あのPoloがどうなったかを調べたくなり、2022年春と同じように、VWの認定中古車サイトにアクセスしていた。AudiはVWグループの一角なので、あのPoloもVWグループ内で整備・販売されるだろうと踏んだからだ。

あちこち15分ほど調べてみると、私が住むS区のVW認定中古車センターで販売されているようで、2025年12月15日(月)に新規掲載されているのを発見した。私が手放してちょうど1ヶ月だ。色も姿形も4年間見てきたものなので間違えようもなく、Webサイトに記載されている走行距離と車台番号の下3桁が見事に合致していることから同定できた。設定された販売価格は、車両本体が148万円、諸費用込みで163万円とある。

もともとこのPoloは乗り潰すことなぞ考えておらず、次に新車を買ったら手放すことを前提にしていたため、そのときに少しでも下取り価格が良くなるよう丁重かつ慎重に扱っていたこと、半年毎にあるVWディーラーの定期点検を欠かさなかったこと、KeePer技研のボディコーティングを毎年施工していたことから他の同程度経年車よりボディの塗装に劣化が少ないこと、新車登録から5年で走行距離が約19,600kmと少ないほうだということもあり、RS 3納車時の土壇場で下取り価格が10万円上乗せされ90万円になったりしたのだが、もし購入希望者が出ればオーナーとしては3人目となるため、この価格になったのだと思う。

これらの情報を確認しつつ、Webサイトで発見したかつての愛車の姿に、私は涙が出そうになるほど感傷的になってしまった。

「あぁ…悪いことをしたな。もし売れたら、次のオーナーにも、ぜひ可愛がってもらってくれよな」

当たり前だが、正規の手順でクルマを売ることは悪事ではない。RS 3へ乗り換えるにあたり、経済的合理性から下取りに出しただけだ。もし私にクルマを複数台維持できる財力があったとしても、このPoloは手放しただろう。RS 3を買った後に乗らなくなることが目に見えている。

しかし、私の右脳から真っ先に出た感情は「悪いことをしたな」だった。ここでの主語はPoloだ。「Poloには悪いことをしたな」。もはや私とは無関係のクルマに、なぜそう思ったのだろう。

それまで(自分が考え得る範囲内で)丁重かつ慎重に扱い、ディーラーの定期点検も欠かさず受けて必要な部品を交換し、ボディコーティングも毎年施してきたが、それと同じ扱いを次のオーナーがやってくれる保証が無いから?
そりゃまたずいぶんと私のエゴ丸出しだ。そんなことは次のオーナーの自由だ。このPoloにオーナー運があれば、これらをやってくれる人に巡り逢えるだろう。

だが、あのPoloにとって2度目の身売りとなる今回、設定された価格があまりに安い。コミコミで163万円は、5年落ちで走行距離が20,000km未満であるにもかかわらず3オーナー目となることも考慮しても、相当にお買い得感がある価格設定だ。私が2022年4月24日(日)に発注した1度目の身売りのときより100万円も安い。ひょっとすると次のオーナーは、このPoloを下駄代わりに乗り潰したり魔改造したりするかもしれず、そうなると、これまで私が実施してきたような手厚いメンテナンスが実施されない可能性がある。それではあのPoloが可哀想だ。

…可哀想?

そうか。足掛け4年もの間、ほぼ隔週で「自宅と実家を高速道路経由で支障なく行き来すること」と「母親を安全に護送すること」、この2つを使命として掲げられたPoloに対して、私は想像以上に深い感情を抱いていたようだ。春夏秋冬、花粉や黄砂が舞う日も酷暑でカンカン照りの日も台風で横殴りの暴風雨の日も都内では珍しい雪の日も、車内にはスマホ経由で1980〜1990年代のJPOPを大音量で流しつつ、愚痴ひとつ言わず(故障ひとつせず)粛々と走ってくれたのだから、そう思わないほうがオカシイというものだ。

しかし、他の所有物にここまで感情移入した記憶は無い。2024年6月、そろそろ無停止連続運用12年目を迎えようとしていた常用のファンレスPCが、M/Bからのコイル鳴きを伴って頓死したものの、このPCにそこまでイレ込むことは無く、私の脳内は「ヤバい、いち早く次のPCを組まねば!」という焦燥感に支配されていた。干支を一周するほど付き合ったにもかかわらず、だ。

日々の生活での密着度も、私の場合はクルマよりPCのほうが断然長く強いのだが、なぜクルマにだけ、こんな感情が湧いたのだろう。

今はまだその理由は解らないが、「クルマを持つ」ということは、「クルマを手放す」ときの、こういう感情も込みなのだということを、齢50にして初めて知った。

2025年12月20日(土)昼過ぎ、1通のメールが届いた。

『お客様の車両Polo Comfortlineは、お客様のユーザーアカウントから削除されたか、他のユーザーアカウンに結びつけられました(メインユーザー変更)。』 (原文ママ)

国産車はどうだか知らないが、少なくとも最近の輸入車は所謂「コネクテッドカー」なので、スマホにインストールした専用アプリ経由で開錠・施錠したり、クルマの状態を確認できたりする。VWグループのPoloやRS 3にもこのような機能が実装されている。

このメールは、VWアプリで必要なユーザアカウント情報を削除し忘れていたため受信したのだが、この内容から察するに、あのPoloは無事に売れ、新しいオーナーのユーザアカウントに紐付けられようだ。念のためVW認定中古車センターのWebサイトを確認すると、あのPoloの情報は削除されており、スマホアプリからアクセスしても弾かれた。

新規掲載から僅か6日で次のオーナーが決まったことに、私は驚いた。しかも、次のオーナーが印鑑登録証明書や車庫証明の書類を用意し、関係各所に登録を済ませ、引き渡せる状態にする日数を考えると、恐らく掲載してすぐに売約が成立したのだろう。先述した通り、お買い得感満載の価格設定なので早くに売れるとは考えていたものの、年明け早々の2026年1月中旬に車検が切れるため、それまで粘って更に値下げされるのを待たれるのではないかとも考えており、まさかこんな年の瀬にバタバタと売れるとは思ってもみなかった。

私が住むS区のVW認定中古車センターで売れたということは、もしかすると、私が自宅周辺をRS 3で走っているときに見掛けるのかもしれないし、VWの認定中古車は日本全国どこでも納車されるため、私がまったく知らない土地を走っているのかもしれない。それを私が知る術は無いが、「次のオーナーにも、ぜひ可愛がってもらってくれ」と、あのPoloの第3の車生が幸多からんものであることを心から祈っていることに変わりは無い。

あのPoloと名実共に惜別すべく、万感の思いを胸に、VWのWebサイトからは私のユーザアカウント情報を、スマホからはVWアプリを、それぞれ削除した。


  1. 千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区・文京区
  2. 2024年2月、運営元の私鉄から「(駐車場を)鉄道線路高架化事業の資材置場兼飯場に転用するから、4月末までに出て行け」との通告が届き、再度駐車場を探すことに。2週間ほど探索すると、自宅マンションの隣にある億ションが、住民用に敷地内に設置している機械式立体駐車場の空き区画を住民以外にも賃貸しているのを発見、速攻で契約した。それ以降、私のクルマはここに収まっている。露天のアスファルト敷きから屋内の機械式立駐にグレードアップしたにもかかわらず、賃料が2,500円下がり近隣の相場と同額になったのは、今でも不思議でならない。おのれXX電鉄。
  3. 尤も、新車が生産されない=中古車が発生しないこの時期の中古車店は「売りたくても売るタマが無い」状況となり、経営面では苦境だったと聞く。何事も表裏一体である。
  4. 2024年1月19日午前、阪神高速湾岸線で、渋滞に巻き込まれタンクローリーの後ろで停車中だった軽自動車に、前方不注意の大型トラックがほぼノンブレーキで後ろから突っ込んだ結果、前後を大型車に挟まれた軽自動車は30cm厚の鉄板に圧縮され、乗員の70代夫婦が即死した事故映像は、「自車に非は無くとも大型車に絡まれたら軽自動車なんぞ一巻の終わりである」ことを改めてまざまざと見せつけ、恐怖すら覚えた。軽自動車は市街地や住宅地周辺の下道を30km/hでのんびり走るもので、如何なる用事があっても高速道路を走ってはいけないのだ。
  5. 特にNは酷かった。2004年の時点で既にどうしようもなく、2017〜18年には二進も三進も行かない状況だった。この原因は巷間で言われる某外国人社長だけに帰結できず、配下の社員も押し並べて碌でもなかったことを強烈に覚えている。
  6. 最初は都内のVWグループディーラーが一斉にスポーツカーの販促キャンペーンを打っているのかと思ったが、そうではなく、本当に偶然だった。