幼稚化するキャリア事業

Posted at Sat, 12 Nov 2005 09:03:55 +0900 (JST)

『総務省、新規参入3社に認定書交付』

はてさて、ブランド好きな国民にどこまで浸透するのやら。
閉塞感というか新味に欠けてた事業カテゴリではあるのでパンチ力があれば普及はするかもしれませんが、

“交付式が行なわれる前、大臣室付近の廊下で孫氏、千本氏、杉村氏が歓談。孫氏は「今まで3社だったのがおかしい」と述べたほか、千本氏は「(国内の携帯市場への新規参入が認められるのは)12年ぶりだからね」と笑顔で語った。”

というところに、こいつらの不遜さが出てますね。
“不遜で何が悪い?”と言われると、ぐうの音も出ませんが。

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『ソフトバンクが中間決算で黒字化、携帯事業は「無理をせず着実に」』
『イー・アクセス、モバイル事業に関する会見「5年で500万加入を目指す」』

『アイピーモバイル杉村社長「ポケットの中のブロードバンドを実現へ」』

う〜ん、各社ともご大層なことをぶち上げてますね。まずは機器組み込み(M2M)あたりからでしょうか。実際にユーザが使うかどうかは分かりません。
この一連のニュースの中で、もっとも意味が分からないのが

『携帯新規参入のイー・モバイル,吉本興業からの出資を受け入れへ』

…少なくとも私は、移動機で漫才は見たくありませんし、“機器メーカーとの交渉は最終段階,基地局設置用地の取得はこれから”というセミキャプションも気になります。なのに「期待しててください」と言える自信はどこにあるんでしょうねぇ。裏でちゃんとDCMやVFJとローミング話が進んでるのかな。
あと、

『携帯事業で「派手な投資」を封印したソフトバンク』

にある、

“我々は一気呵成にではなく、着実に携帯事業に取り組む。(ADSL事業のときのように)無茶をして設備投資をして、先行赤字を出さない”
“1年2年で無理をしてわーっと立ち上げると、高いコストがかかる。それほど無理をして追い込むようなことはしないでいいのではないか”

という損のコメントには、『ああ、まだ睡眠不足か』と目を疑いました。
ま、これも損がいつまで我慢できるかの問題でしょう :-P

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で、同時期に出てるニュースで、上の3社も噛み付いてるのが

『NTT社長会見「中期経営戦略はNTTグループ再々編ではないと認識」』

これはまた酷い話で…。
既にいつ読んだか記憶すらないのですが、今の東西地域会社がL1まで、みかかCOMがL2以上を担当するように再編するとかしないとか。
ドミナント規制に引っ掛かるキャリアとして精一杯の抵抗でしょうが、どうなんだろうなぁ。
今度の総務大臣は郵政民営化のためだけになったようなもので通信事業云々は恐らくまったく興味が無いでしょうから、担当官僚に丸投げ。
となると、前任を引き継ぎますので、この再編には“待った!”が掛かるでしょうね。

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あと、これらとは無関係ですが、

『PHSや3Gによるアクセスで広域イーサネットの利用範囲を拡大―パワードコム』

には泣きました。こんなのはユーザが準備するものでしょうに。
キャリア事業がどんどんどんどん幼稚化していることは、今回の二徹でも充分認識しましたが、これはその上を行く酷さですね。