NetWalkerの“本来の意図した用途”とは?

Posted at Fri, 25 Dec 2009 14:40:34 +0900 (JST)

最近2回連続で公式リポジトリによるkernelのアップデートがあり(1回目のアップデートでは起動しなくなる不具合が発生した個体もあったらしい)、ユーザランドが侵食されて肥大化が著しい。4GBしかないところにOSやアプリで32%(1.2GB)も食われては、ちょっと安心できない。ちょっと前は25%程度だっただけに尚更そう感じる。

ただ、いかんせんこれ以上のアプリは削れそうにもない。私が必要なアプリは

– GNU Emacs (+ Wanderlust + skk)
– Firefox
– scim-skk

だけなのだが、それでもkernelの肥大化には勝てないようだ。特にNetWalkerは自機だけでの外部アクセスする手段が無線LANしかなく、ダイヤルアップ接続手段に各キャリアが出しているUSB型移動機を挿さねばならない以上、こうなってしまうのは宿命とも言える。

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自分で使っておいてナンだが、世間の人はNetWalkerを何にどう使っているんだろうか?

少なくとも私やその周りの人間は、元職や現職がキャリアやISPであるせいか、世間一般の家庭では考えられないような家庭内ネットワークを構築している。自分が加入しているISPのメールサーバを自宅サーバでIMAP化することを始めとして、自分が持つ複数ドメインのサーバをRAID 1や5で自宅で運用しているような連中ばかりなので、NetWalkerがこのようなシンクライアント然としたものであっても難なく運用できてしまう。ユーザランドを急激に侵食させることもない。私もこの運用で便利に使っている。

しかし、ふつうの人はそうじゃないことは容易に想像が付く。E-mailを通常のクライアントと同じようにPOPで運用してしまえば、メールサーバのメールを削除しない設定にしたところで、NetWalkerにはその送受信ログが残るので、ユーザランドが一杯になってしまうのは時間の問題だ。定期的なメンテナンス(と称する自己データの削除)が必要で、この上なく面倒だろう。

ファイルをDLする場合も、外部にmicroSDメモリカードを挿しても現行では16GB(厳密には15.9GBと認識される)が限界であるうえ、NetWalkerの構造上、microSDメモリカードを何度も挿し換えるような運用は想定されてないようで、結局は自宅に戻り何らかの手段、恐らくは無線LANで自宅PCに接続してデータの移動(もしくはデータの同期)を想定していることになろう。単なるファイル共有でSMB接続しているだけかもしれない。

いずれにしても面倒なことに変わりはないよなぁ…と考えるのは、私だけだろうか。こういうことを考えるにつれ、冒頭の「世間の人はNetWalkerを何にどう使っているんだろうか?」という疑問が頭を過る。

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然るに、現状のNetWalkerのスペックは「どっちつかず」なのだ。バッテリの持ちや起動スピードを考慮しても、あのキーボードとマウスカーソル稼動機構、もっと言えば重心が妙な位置にある以上、出先であっても平たい場所に置いて使うものだろう。間違っても立ったまま使えるようにはなってない。

製造元であるSHARPが“本来意図した用途”は一体何なのか? それすらもユーザにお任せなのか?

これが、かれこれ3ヶ月余り運用して持った、NetWalkerに対する印象である。