国家がE-mailサーバ構築に口を挟む時代

Posted at Fri, 25 Dec 2009 09:17:55 +0900 (JST)

『米マイクロソフト、「Word」を巡る特許侵害訴訟でカナダi4iに敗訴』
『控訴審でも「Word」販売差し止め判決、Microsoftは該当昨日の削除で対応』

以前も取り上げましたが、見事なまでのM$の負けっぷり…ちょっと珍しいですね。
会社では報告書だのの作成にほぼ毎日使っていた私も、WordにカスタムXMLを吐き出す機能があることを、この訴訟で初めて知ったぐらいですから、「殆ど使われてない→機能削除で対応」というM$の清々しいぐらいの姿勢は解らんでもありません。ある意味では日本でも良く言われる「選択と集中」が、M$では的確に機能していると言えるでしょう。

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『IP電話の「JAJAH」を、大手通信会社Telefonicaが買収』
『Telefonica、VoIPサービスのJAJAHを1億4500万ユーロで買収』

欧州最大の固定網キャリアと言っても過言ではないTelefonicaが、なぜ今更のようにVoIPサービス会社を買収するんだろう…ちょっと謎ですね。欧州ではJAJAHのプレゼンスがそんなに高いんでしょうか?
しかも後者の記事を読む限り、この買収にはCiscoやM$も参戦していたとか…うーむ、ますます謎です。CiscoもM$も既に自社でVoIP機器やサービスがあるのに。eBayがSkypeを買ったときと同じようなことにならなきゃ良いですけどね?

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『ソフトバンク、緊急地震速報の提供時期を来夏以降に変更』

この業界に居る人間から見れば、「こりゃSBMは相当カネが無いんだな」と納得せざるを得ないニュースです。それにしても総務省は何か言わないんだろうか?
いくら法令上実装の義務が無いからといって実装を先延ばしにしていると、ユーザが離れると思うんですけどねぇ。
(該当する法令「気象業務法」第十五条では、気象庁が「政令の定めるところにより、直ちにその警報事項を警察庁、国土交通省、海上保安庁、都道府県、東日本電信電話会社、西日本電信電話会社又は日本放送協会の機関に通知しなければならない」とだけ規定されている)

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『USEN、ISP事業をSo-netに譲渡』

これも以前取り上げたものですが、譲渡するのはみかか東西のフレッツ網向けサービスのみで、独自に敷いたFTTH回線は譲渡対象外(引き続き子会社のUCOMが運営)なんですね。USENは最後の虎の子だけは意地でも確保したようにも見えます。ひとまずUSEN独自のFTTHユーザである私はひと安心です。現在とサービス形態が変わらない限り、もし引越ししてもUSENを使い続けるでしょう。

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『中東・北アフリカ地域のネット利用者、7割に社交的関係の変化』

なかなか珍しい調査結果です。アジアとはいえ近くて遠い中東地域と、それに隣接する北アフリカ地域でのInternet利用状況に関するもので、中身もなかなか興味深いものがあります。
Internetを人脈形成の場と捉えているのは、昨今のSNSだのの発展を見れば解らないでもないですが、その割合が他の地域と比べて飛び抜けて多いように見え、「以前はそんなに閉鎖的だったのか?」と勘繰りたくもなります。いかんせんこれらの地域の文化にあまり詳しくないので何とも言えないのですが。

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最後はオマケ

『独情報技術安全局、電子メールのセキュリティ「マニュアル」発表』

ドイツ連邦政府が国を挙げて作ったというのも凄いですが、これが一般的なユーザだけを対象にしているわけではなく、MTA(メールサーバ)を構築・運用することについても触れられているところが興味深いですね。
遂に国家がMTAの構築指針を示す時代になったのでしょうか。恐ろしい時代です。