NetWalkerをフィールドテストしてみる(その2)
前回のフィールドテストは屋外で行い、「概ね1時間であれば通信しっ放しでもバッテリの持ちに問題は無い」との結論を得、『通信しっ放しの状態でバッテリを使い切るのが何時間なのか検証したい』と結んだ。
そこで今回は、今回は屋内(拙宅内)ではあるものの、無線LANを接続しっ放しにしてバッテリにて運用し続けたとき、使い切る時間までの時間は実際どの程度なのかを検証した。
【条件】
(1) NetWalkerを満充電後に電源を入れ、拙宅に設置・通常運用している無線LAN基地局 NEC製「Aterm WR7850S」へ接続しっ放しとする
(2) 暗号化方式は“WPA-PSK(AES)”、鍵交換間隔は30分とする
(3) ふだんならば常用している別ホスト(Debian Lennyファンレス機)で行うブラウズやE-mail送受信を全てNetWalkerで行う。即ち、1度もサスペンド状態にせず、液晶もブラックアウトさないようにし、電源は常時ON状態とする
(4) 念のため、stratum 1なntpサーバ(ntp.nict.jp)との時刻同期と、Firefoxには15分毎にreloadする「Google News」「My nifty」を表示させたタブを1枚ずつ開き、定期的にntpおよびhttpパケットが飛ぶようにする
【結果】
開始5時間27分後に「プッ」という、ビープ音らしき音を発して強制的に電源が切れた。その際、通常の電源OFF処理が走ったため、NetWalker上のデータに欠損は見られなかった。
NetWalkerのバッテリインディケータは「高」「中」「低」「極小」の4段階があり、
という経過を辿った。
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【所感】
前回の【所感】でも述べたように、通信が継続する状態ではNetWalkerのバッテリ消費スピードはかなり速く、「もし公衆無線LANで接続して使い続けるのであれば、凡そ半分程度(5時間)が稼動限界時間ではなかろうか」との推測も正しかったようです。
ただ、実際の使用方法として、ぶっ続けで5時間使い続けることは稀(首都圏在住であれば、新幹線で東京〜博多を移動するときぐらいなものか)であろうことから、SHARPが意図した『パソコンでやりたかったこと、ケータイの手軽さで実現。』(JR品川駅でのTouch & Tryイベントで頂戴したチラシおよびパンフレットの文言)というのは、概ね実現できそうです。どこの会社の移動機(PHSを含む)でも、ここまで長時間連続で通話/通信できるものは無いので、バッテリの面では寧ろ頑張っていると言えると思います。私にとっては初代W-ZERO3以来、久々に「外出するときは身に付けて歩きたいガシェット」の登場となりました。どこかに気軽に放り込める小さなバッグ、あったかなぁ…家の中を野捜ししなければ。
また、公式サポートサイトによると、『30日(水曜日)からFlash Liteのパッケージがリリースされる』との情報もあり、今後に若干の期待が持てます。なぜ「若干の」という副詞が付くのかと言うと、今回の実験でも判ったことですが、「Google News」や「My nifty」といった、JavaScriptバリバリのページをreloadする際にCPUが100%に貼り付く様子が観察されたからです(GNOMEのパネルにシステム・モニタを追加で置いたので観察できた)。恐らくJavaScript以上にCPUリソースを食うであろうFlashを動かしたとき、NetWalkerの挙動がどうなるのか、期待と同時に不安があることが否定できないからです。Ubuntuの元になっているDebianでも、Flashの妙に重いサイトを開いてしまうと、ブラウザこと落ちてしまう事象を日常的に何度も経験していることからも、そういう思いを起こさせてしまいます。恐らくそんなことはSHARPの技術陣は百も承知でしょうし、ここはSHARPの技術陣の頑張りに期待するしかありませんね。
いずれにしても、バッテリインディケータが「極小」となっても、慌てず騒がず蓋を閉じてサスペンドすれば問題無いことを確認できたことが、今回のフィールドテストの結果で得た貴重な知見です。