Fit-PC2と42インチディスプレイ
先日のFit-PC2導入記で、「自宅の42インチ液晶テレビでフルプペックHDが出せるのか遊んでみたい」と記したが、その結果が出た。

1920x1080iで出すには一苦労。しかもUbuntuだし
出せるには出せたのだが、結局はUbuntu 8.04でなければならなかったのだ。
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【6月30日】
(1) 会社で仕事するフリをして、良さそうな青歯のキーボードとマウス、肝腎であるはずの青歯レシーバも慎重を期して選び、帰りにヨドバシ新宿西口本店に直行して購入。その他必要なケーブル類も合わせて22,000円弱を投資。
(2) 帰宅し嬉々としてDebian LennyをインスコしたFit-PC2に青歯レシーバを接続、問題なく認識。続いてマウスを認識→ペアリング。ここでは問題なし。しかし一向にキーボードがペアリングできない。認識はするもののペアリングに至らないのだ。2時間ほど格闘するも、どうやら青歯の適合規格がマウスとキーボードで差があることが問題らしいことが判る。マウスは2.0、キーボードは1.2だ。青歯は完全下位互換じゃないのか?
(3) 万が一のキーボードの初期不良を考慮し、WindowsをインスコしたFit-PC2にレシーバを挿して試験するも、双方ともあっさり認識→ペアリングし稼動することを確認。キーボードの初期不良ではない。つまりこれでDebian Lennyでは青歯2.0規格に対応したものでなければならないと切り分けられることに。22,000円弱のうち9,980円が無駄になることに愕然とし、時間切れも相俟ってここで不貞寝する。
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【7月1日】
(4) またしても会社で仕事をするフリをしながら、今度は慎重に青歯2.0規格に対応したキーボードを選択、立て続けはちょっとカッコ悪いなぁという自意識過剰ぶりと、そのキーボードの在庫の有無を調べた結果から、この日はヨドバシAkiba店で購入(というか、ゴールドポイントで10,800円を全額引き換え。さすがに昨日のショックは抜けず)。
(5) Debian LennyをインスコしたFit-PC2で試すと、このキーボードはあっさり認識→ペアリング完了。文字入力も何ら問題なし。同時にマウスも認識→ペアリングさせても問題なし。気が抜けて脱力すると同時に、やっと本来やりたかった次に進めるという開放感も湧く。
(6) 液晶テレビ背面にいそいそとHDMI-DVI変換ケーブルを接続してDebian Lennyインスコ機と接続するも、テレビ側の液晶の仕様で、HDMI-DVIケーブルではフルスペックHDが出せないことが判明(1400×1050が最大)。HDMI-DVIケーブル1本が無駄になる。
(7) ならばHDMIで結線すれば良いのだが、実装されている2個のHDMIポートは2台のBlu-ray HDDレコーダで全て埋まっている。
(8) 仕方無いので片方のBlu-ray HDDレコーダからHDMIケーブルを抜き、Debian LennyをインスコしたFit-PC2を接続するも、やはりGMA 500のドライバが不完全らしくSXGA(1280×1024)でしか出力しない。ふだん使いのUXGAモニタでは何の問題もなく1600×1200で出力するのになぜ?
(9) Debian Lennyインスコ機にUbuntu用のGMA 500ドライバのバイナリを入れて悪足掻きをするが、当然のようにダメ。
(10) 最終手段として、残りの1台である、輸入時のままUbuntu 8.04がプリインストールされたFit-PC2を接続すると、いともあっさり1920x1080iで出力。42インチ液晶テレビがフルスペックHDなPCディスプレイとして稼動することが確認されると同時に、HDMIセレクタ(とHDMIケーブル2本)の追加購入を決意させられる。
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【7月2日】
(11) Debian Lennyでは出現しなかった問題として、Ubuntuの青歯での接続は、ログアウトすると切れてしまうことが判明。つまり、電源を切ったりログアウト→ログインする度にペアリングをやり直す必要があることになるが、それでは常にUSB接続のキーボードとマウスが青歯ペアリングのためだけに接続し続けるという本末転倒な事態になりかねない。
(12) いろいろWebを漁っては試すも一向に解決しないまま3時間が経過しようとしていたその時、ここにある手順と記述に全て助けられ、何とかこの事態から脱出。同じソースからForkしているハズなのにこうも使い勝手が悪いことを知り、Ubuntuに対して若干のアレルギーを持つことになる。
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【7月3日】
(13) この日も会社帰りにヨドバシ新宿西口本店へ直行し、HDMIセレクタとHDMIケーブル2本を18,000円弱で購入。今度こそ上手く行ってくれよと祈るような気持ちだ。それにしてもHDMIケーブルはいつまで経っても高い。パテント管理が行き過ぎの感がある。
(14) 現在の液晶テレビとBlu-ray HDDレコーダとの接続関係から、VHSコンパチBlu-ray HDDレコーダとの間にHDMIセレクタを挿入することとし、HDMIセレクタのもう一方をFit-PC2と接続する。
(15) 念のため、まずはDebian LennyをインスコしたFit-PC2を接続するも、状況は変わらず、SXGAでしか出力しない。この時点で42インチ液晶テレビとDebian Lennyの組み合わせは正式に諦める。
(16) 次に本命であるUbuntu 8.04プリインストール機に差し換えて起動。いともあっさりフルスペックHD(1920x1080i)で出力。無駄に広い画面に感動すら覚える。
(17) あとはこれをふだん使いのDebian Lennyに似せるように環境を整える。とり急ぎEmacs22を入れないと話にならないので、そこから始めるか…。
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このような経過を経て、トップにある写真のような状態となったのである。今はただひたすら、暇を見つけては(17)を続けている状態だ。
感想として残ったのは「無駄にカネが掛かったなぁ」という散財への後悔と、「Linuxと青歯には思わぬ落とし穴があるなぁ」という貴重な知見があった…あ、手元に数枚のヨドバシのレシートも、か。
ただやはり個人的にはUbuntuには慣れてないせいか、細々したところがまだ使い難い。あくまで遊びだし、万が一、今使っているDebian Lennyメイン機が飛んだときのバックアップとはいえ、これから徐々に慣れていくのかもしれないなぁと思いつつ、その前にDebianでGMA 500向けドライバが完成することを願っている自分も居る。もし完成したら、かなりあっさりDebian Lennyに乗り換えるだろう。いちおうDebian内ではGMA 500のドライバである『xserver-xorg-video-psb』が「期待されているパッケージ」リストの『現在作業中のパッケージ』に含まれているので、時間の問題かもしれない。
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いずれにしても、フルスペックHDをWindows XPで使う意志は無いので、試していない。